大阪のおっさん(シリーズ第5話) |
おっさん:何ぼくれるんや 死神:そんな取引はできん おっさん:無茶言うたらあかんで、何でもお金がかかるねん 死神:死んだらつかうことはできん おっさん:いきなり出てきて、もうすぐ死ぬんやで〜はないやろ 死神:はかないのう、人の命は おっさん:女房や子供はどないするんや 死神:二人ともあんたのこと忘れてる おっさん:なんでそんなことわかるんや 娘『おとうちゃんどないしたんやろ』 妻『どのお父ちゃんの話や』 おっさん:何や今の声は 死神:リアルタイムで母と娘の会話を盗聴 おっさん:娘はお父ちゃんていうてたがな 死神:3番目のお父ちゃんのことらしい おっさん:ともかくや、どないしてもまとまった金がいるんや 死神:どうしても? おっさん:そや!どうしても要るねん。死ぬ前にやらなあかんことがあるねん 死神:私は現金は持つことができんけど、何とか考えよか おっさん:何したらええねん、強盗か? 死神: 間違いを起こしてどうする、世の中を鎮めるために、私は働いてる。 おっさん:それやったら東電なんとかせえや 死神:凄い情報を教えるから おっさん:民主党なんとかせえや 死神:角のゴミ箱に茶色い封筒が落ちている おっさん:うんそれで 死神:中に1万円が5枚入って・・・ おっさん:分った行ってくる 死神:待ちなさい。最後まで話を聞きなさい。 おっさん:そやけど誰かに拾われる 死神:それを持って京都の伏見 おっさん:阪神競馬場 死神:そう今日の最終レース2−5の単勝複式 おっさん:なんぼ買う? 死神:特券40枚。1年に一度の大穴レース、配当は108倍。4千3百万円。 おっさん:ひぇーっ、えらいこっちゃ 続く (2011.6.24[Fri]) |
大阪のおっさん(第5話)その2 |
阪神競馬場場内アナウンス 第4コーナーを回ったところで、先頭はヒカリホマレ続いてウクライナビショウジョ、カラシニコフルオートといったところ。おおっと大外からマイドオオキニが出た。ヒカリホマレ先頭、半馬身差でウクライナ、カラシニコフは1馬身遅れ、さあ最後の直線コースに入った、フルオート唸る、鞭が入る。ここで一気にモウカリマッカが突っ込んでくる。マイドオオキニも早い、モウカリマッカごぼうう抜き、マイドオオキニ逃げきるか、モウカリマッカ懸命にダッシュ、マイドオオキニ・モウカリマッカああ。 おっさん:あーたった・・たったったあ〜 通行人A:何や立ったいうてしゃがみこんでもたがな 死神:何もしゃべるな。人が集まる おっさん:何やいきなりしにがみのおっさんが出てきて 死神:大金を持った時点で、狙われると考えなさい おっさん:そういや、いままで狙われたことなんか1回も無いなあ 死神:狙ってばっかりか 払い戻し窓口:おめでとうございます。ここから銀行に振り込めますよ おっさん:ええねん、現金にして、キャッシュでええわ 払い戻し窓口:かしこまりました。何か入れるものはお持ちですか? おっさん:いやあそれが、財布忘れて 死神:入るかアホ おっさん:いえ独り言で、なんかありまへんか 払い戻し窓口:厚手の大きな袋で良かったらご用意出来ます おっさん:そうして、おおきん、ええこれ全部わてのお金!4千8百万う~ん 死神:あかんぞ気い失ったら おっさん:まず焼酎飲んでトン焼き食うて 死神:もっといいもの飲んで高いものを食べたら? おっさん:焼酎とトン焼き以上のものがあるんかい 死神:ここは京都だよ。吉兆の懐石で大吟醸を飲みなさい おっさん:なんや?英語で言わんといて 死神:そんなことはどうでもいい、もうすぐ時間だよ、早くやることをやれ。 おっさん:へ!? 死神:最後にやり残したことの為に、何とか大金を手に入れた。どうするんだ? おっさん:わすれてもた 死神:お前この金どうするんじゃい おっさん:つかうまで待ってや 死神:おまええ、どんだけあつかましい おっさん:ほならいっしょにつかおか、まずぎんじょう行ってきっちょうたのもか 死神:覚えてるなあ、あべこべやけど いつか続く予定。 (2011.6.23[Thu]) |
バックナンバー